15年間の屍プロジェクトに光をカヤックライト
2009年 まさかのコンチ誕生秘話

プロジェクト名:
「ポケットフレンズ コンチ」
概要:
「愛」のシンボルとして愛されるキャラクター

ここでコンチを取り上げちゃうのは、ちょっと趣旨とは違うかもしれません。
今まで取り上げてきたプロジェクトはどれも日の当たらない、社員ですら知らないプロジェクトばかりなのですが、このコンチは、カヤックの代表作のようなもの。社員ぜんいんが知っているみんなの人気ものです。

このサービスのココに注目!

ですが、このコンチにも、当時の社員しか知らない誕生秘話があるのです。
それは、ほんとにこのような生き物を世の中に出していいのか?ということを大の大人たちが喧々諤々やりあった物語です。

カヤックの代表は2005年まで自らを電磁波の実験対象とすべく携帯電話を持つことを禁止していました。ですがIT企業としてそうもいってられないだろうと思って、携帯電話を買ったところ、すでにimodeの最盛期はすぎ、まったくおいしい仕事には関われませんでした。

そんな中で、新設されて奮起した漢(ヲトコ)だけの携帯事業部がいつのまにか勝手に生み出していたのが、何をかくそうコンチでした。

世の中、アバターがどうやら流行ってるらしいぞ。ということで、脱ぐとすごいことになるという既存のアバターの概念を覆すべく誕生したのが、コンチなのです。

ところが、リリース直前でこのサービスを知った僕は、さすがにこのサービスを出していいものか、社内に問うことにしました。
その結果、こんなものを出してくれるなという社員とこれは「まじめな愛のシンボルなんだという社員」が、喧々諤々とやりだしたのです。
最終決断は僕ら代表社員がしなければなりません。
そこで、くだした決断は、どうせやるならばかばかしいものでも最高のクリエイティブと技術を。

これがカヤックでよく言われる「技術の無駄使い」。
リリースを2か月遅らせて、最高に品質を上げることを条件に、世に出すことを許可しました。

ちなみに、この騒動によって辞めた社員がいたことも事実です。今でも「家族にコンチのことを言えない」と社員に面談で言われてしまいます。

大人気のコンチの誕生には、こんな涙なしでは語れない物語があったのです。