15年間の屍プロジェクトに光をカヤックライト
2010年 カヤック史上最短のオフィス

プロジェクト名:
「まんぐうん家」
概要:
社員の家をコンセプトにオフィスをつくるプロジェクト。

カヤックでは、入社した社員には勝手にあだ名がつけられるという文化があります。あだ名というものは不思議なもので、思いつきでほんとに脈略なく発生し、それを無理やり周囲が定着させてしまう構造があります。誰がつけているのかはわかりませんが、本人がこのニックネームで呼んでくださいと訴えても、本人の希望が通る確率は非常に低いのが現状です。

そんな中で、鶴岡という苗字の男子社員のあだ名は「まんぐう」と言います。なぜまんぐうか?というと、鎌倉には鶴岡八幡宮(つるおかはちまんぐう)という多くの人が毎年訪れる大きな神社があるからです。
誰がつけたか忘れてしまいましたが、なかなかいいあだ名です。

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2010年、カヤックの鎌倉本社ビルの隣のビルの最上階のワンフロアが空き室になったという情報が入ります。当時すでに鎌倉本社が手狭になっていた僕らは、隣であれば利便性もいいので、借りておくことにしました。
オフィスの内装にはこだわるカヤックです。この新オフィスはどんなコンセプトにしようか。
そこで出たのが、誰かの家にしちゃえばいいんじゃないと。「あのオフィスにいく=あいつんちいく」みたいなのは面白いのではないかなと。
そこで、テーマは、まんぐうん家になりました。

そして、まんぐうといえば、釣りです。この男は自分で和舟をもって毎週末海釣りに行くぐらいの釣り吉です。釣りといえば松方弘樹。そこでオフィスの壁のデザインは決まりました。壁には、でっかい松方弘樹のポートレートをはりつけます。そういえばまんぐう自身も、どことなく松方弘樹に似ている。やはり、海釣りをしていると同じ感じになってくるのでしょう。

さらに、まんぐうといえばビールです。夜20時を超えるとオフィスでビールを飲みながら仕事をするスタイル。おっさんです。
大きなビールをオフィスの壁一杯に描くことにしました。
そして、オフィスの真ん中にはどーんとでっかい机。この机が、舟のようになっています。

こうして適当な感じで決まっていきながらも、非常にコンセプチャルだったこのオフィスは、もろもろの事情により、わずか数か月で閉じることになります。
カヤック史上最短で消えたオフィスとなりました。

ちなみに、まんぐうん家と名付けられながらも、まんぐう自身は、そのオフィスにはほとんど足を踏み入れませんでした。